国民医療費 2019 4 14

 創薬というと、バラ色の未来のように語られますが、
金銭的にみると、バラ色ではありません。
 たとえ画期的な創薬ができたとしても、
それは、金持ち専用の薬となるからです。
 今や、薬の開発費には、巨額の費用がかかるので、
価格が1粒で10,000円になったとしても、驚きではありません。
毎日、1粒を服用すると、30日間で300,000円です。
 日本では、国民皆保険なので、3割負担となり、
患者の負担は、毎月90,000円となります。
 これに対して、日本では、高額療養費制度があります。
しかし、たとえ高額療養費制度を使っても、毎月の負担額は、
庶民にとっては、大きなものです。
 だから、金銭的な負担に耐えかねて、
途中で服薬をやめてしまう人もいるそうです。
 そもそも、高額療養費制度は、制度そのものが、
けがや手術などの単発の出費を想定していて、
創薬のように、死ぬまで毎日服用するという想定ではありません。
 もちろん、製薬会社を責めるのは間違いです。
企業としては間違っていません。
 たとえば、今でこそ、電卓は、100円ショップで売られていますが、
電卓が発売された当時は、価格が数万円だったのです。
しかし、大量生産された結果、価格が激安になったのです。
 薬で大量に需要があるのは、風邪薬ぐらいです。
最近では、花粉症の薬でしょうか。
 たいていの薬は、多品種・少量生産です。
だから、薬価は高いままで下がることはないでしょう。
 もはや、創薬にバラ色の未来はないのかと思っていたところ、
YAHOOニュースで興味深いことを見つけました。
 山本潤氏が「ZAi online」で、
「薬価高騰時代の救世主とも言えるビジネスモデルで、
医療保険問題も解決できる」と書いています。
 なぜ、創薬が高いのか。
今では、低分子で新薬が見つからないので、
創薬は、高分子の薬が中心になっています。
 本庶佑博士がノーベル賞を受賞しましたが、
小野薬品のオプジーボが有名です。
この薬は、C6362 H9862 N1712 O1995 S42と非常に大きく複雑なのです
(炭素原子6362個、水素原子9862個、窒素原子1712個、酸素原子1995個、硫黄原子42個)。
 低分子と比べると、バイオ医薬品はバケモノのような大きさ(タンパク質)です。
薬価が、手作りのため、べらぼうに高いことです。
 低分子で新薬は見つからないのですから、
バイオ薬開発では、高分子が中心となり、
薬価がどんどん高くなり、世界中の医療費は高騰してしまいます。
 この問題を解決できる企業が日本にあります。
それが、ペプチドリーム株式会社なのです。
 タンパク質よりも俄然小さく、
たった12-14のアミノ酸の結合でできるのが環状ペプチドです。
分子量は1000-1500であり、タンパク質の100分の1です。
 ペプチドは、中分子薬品という新しい分野の医薬品を創出していく方針です。
低分子薬品は小さすぎるため、副作用が出ます。
中分子まで大きくすることで、そこそこの値段で副作用の少ないよい薬ができあがります。
(引用、以上)
 ペプチドリームが、製薬業界の「プラットフォーマー」になることを祈ります。
そして、せっかく、治る薬があるのに、薬価が高いので、
服薬をやめてしまったという悲劇を繰り返さないためにも、
中分子薬の発展を祈ります。































































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